無職、就活、中華、音楽

 

 

大学を卒業以来いちばん長く働いていた職場を4月末に離れることになって、これがまた急に決まったことやったのでまったく次の仕事がない状態やったけど、持ち前の向こう見ず具合とどうとでもなる精神で、5月から無職になってみた

 

なんのコミュニティにも所属してない状態はこの先なかなか体験できんやろなと思い一回やってみたくて、ゴールデンウィークは仕事を探すでもなくただただぼんやりする時間にしてみたけど、無職を楽しむのにはかなり才能がいることがわかった

 

詩や歌でものんびり書いて休もうというつもりでやってみたけど、漠然と自分の行く末を考えて珍しく朝まで起きてしまったりして、その不安感の一番大きい原因はやっぱりどうやって飯を食うための金を稼いで行くかということで、アウトローぶっても結局わたしは資本主義の奴隷に過ぎん…みたいな落ち込み方をして気持ちがだめになってしまい、特になにを生み出すでもなく、精神的にも1週間でギブやった

 

わたしは暮らしに適度な張り合いがないと本来楽しいことも楽しみきれないとわかって、しょっぱいもんと甘いもんはやっぱ交互に食べるんが一番うまいという定説を思い出した5月上旬やった

 

 

 

 

いつまでもそうしてるわけにもいかんので、飲食のバイトを渡り歩きながら初めて就活というのをやってみてるけど、これを世の中の大半の人間が乗り越えたと思うとほんまに泣けてくるほど、めんどくさい

わたしの一番苦手な、準備という行程が大切すぎるところが難しいんやと思う 準備するものが多すぎる

 

一発気合い入れて履歴書と職務経歴書を作ってとりあえず何社か応募してみたら、面接に進んだ会社がひとつあったので、先週の頭に大学の入学式以来のスーツを着て梅田の某高層オフィスビルに突撃してきた

就活の面接自体が人生で初めてやったので爆裂緊張するかと思いきや、まあ普通にしてて落ちるんやったらそもそも合ってないんやろという開き直りと、これまた持ち前のすべてをおもろがる才能で、オフィスビルで面接を受けるわたくし、ええやん…とか思っていつも通りにしゃべりまくってしまい、出されたお茶がジャスミン茶やったことに感動したり、生まれて初めて「御社」と人前で発音したことにニヤついてたりしたら終わった

 

まあ全然落ちてんけど、わたしの記憶が正しければ「めっちゃ」、「ていう感じで」、「ほんまに」あたりは残念ながら確実に反射で言ってしまってたので、内容以前にそらそうやろなという感じで、数日後にちょっと良いレストランに行ったときの接客してくれたおばさまの口調をきくと、言葉づかいはもちろんやねんけど、なんというか、大人のしゃべり方というのがあるなと気づいて、これはでかい発見やった

 

大人になるということにはいろんな種類の階段があって、そのうちのひとつにその場に相応しいふるまいというのがあるとわかったけど、じゃあ自分がそういうオフィスビルの高層階に相応しくなりたいか、またはそうなってる未来が見えるかというと、やっぱり全然そんなことないかも

 

こればっかりは職種によるんやろうけど、これも肌で感じてひとつわかったことやったので、よかった 

話には聞いてたけど、やりたい仕事を見つけるんってむずかしい

これまでの人生でいちばん、人生に向き合ってる体感がある

 

 

正直に書くと、根がすごいポジティブというのもあるけど、今までにまだ大きい失敗をしたりめちゃくちゃに頭を打ったことがないと感じてて、客観的に見るとザ・世間知らずという節がわたしにはある

ただそういうわけで自分への信用とまあわたしの人生がうまくいかんわけがないという気持ちがあるので、仕事を探す動きを始めてからは、いま仕事がないということは無限の可能性があって、わたしってなんにでもなれるんやなあと思ってしまったりして、良くも悪くもあんまり焦ってない

これで自分の中で納得のいく自分像でいられる職にありつけんかったらいよいよプライドだけ高い人間になって心がねじれてしまう気がして、そこだけはまずいなと思う

楽しみつつも悩みながら、就職活動は続く…

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで就活の合間の1日限定のアルバイトのつもりで行った中華屋が深刻な人手不足、かつありがたいことにそこの人たちにめちゃくちゃ気に入られてしまったこともあり、仕事が見つかるまでという条件付きでその店で働かせてもらってる 

 

中華屋の仕事は、めちゃくちゃ疲れるけど楽しい

なにせフロアがとにかく広くて、100人単位の集まりができたりするので、まあこれが歩く歩く

300人以上での大宴会がある日なんかは円卓と円卓の間を2時間歩き回って、デッカい伊勢エビやらフカヒレのスープやら酢豚やらの大皿を運んだり酒を作って持って行ったり、1回の出勤でも平均で1万5千歩ぐらいは歩いてる

まあそうやって忙しくしてるとだんだん中国4000年の歴史、炎の中華料理とかいう言葉が浮かんできて、そうなったらいつも頭の中では女子十二楽坊の"Freedom"が無限ループしてくるので、気合いが入る

 

‎女子十二楽坊の"Freedom (Live)"をApple Musicで

 

めっちゃ懐かしいし、帰りに無性に聴きたくなって聴いてしまうことまあまあある

 

 

 

店は働いてる人の7割くらいが中国の人で、リーさんウさんチンさんソウさんガイくんとか、名前覚えるんがまず大変やねんけど、中国語の単語とか文化とかいろいろ教えてもらえる 

仕事の合間にパントリーでまかないのご飯を食べていいというシステムがあるので、一緒になった人たちとおしゃべりしながら、残り物の食材でできた名前のついてない中華味のスープや炒め物を食べる時間が毎回あるんやけど、

自分にとっての新しいコミュニティに溶け込んでいく感覚を一番感じる時間で、人に受け入れられるというのはいつでもうれしいことやなと思う

 

就活してても感じることやけど、ここ数年である種の図太さを手に入れたことに気付かされてて、開かれたところには変な遠慮はせずに飛び込んでいくこと、たまにはあんまり開いてないところにも無理やり突っ込んでいくことで得られるものがあったりして、この図太さは自分の生存戦略のひとつになっていく気がする

 

 

 

 

 

 

 

バンドを辞めてから余計に感じたことで、「作りたい」の気持ちはわたしの永遠のテーマで、音楽やなにやらとしてたんやけど、なかなか限界まで忙しくしてるとそれはそれで友達のだれとも会わず何にも触れず心も震えず、帰って風呂入って寝るだけの日が増えてくる

そうなってくるといよいよわたしはなにかを生み出す人間でもなければ詩人でもない、ただの絞りカスや…という気持ちでこの2週間くらいも過ごしてたんやけど、今日はひさしぶりになんにもない休みで、ひとりで街に繰り出してお気に入りの店で飲んだ

 

帰り道にふと思いついて、フィッシュボーンのころに書いたけど音源にはならなかった曲たちを聴いてみて、酔っぱらってるのも相まって、こんなに優しい言葉や美しい言葉を書ける人間が不幸になるわけがない、なにも持ってないわけがないと素直に思えて、自分の感じたことを形にする力をちょっとだけ取り戻した感じがした

 

そういうわけで、手始めにひさしぶりになにか文字を書こうと思って、5月の日記を書いた

脈絡もないけど、最近のいろいろ  自分が掴もうとせんかったせいで取りこぼしたこともいろいろある 

日記や文章ももうちょい短いやつをちょくちょく書くといいかもしれん

 

 

明日からもこの夏に向けて、自分史上最高の身体にするために筋トレをやりつつ、自分史上最高のわたしになるために仕事のことも創作のこともまた少しずつ前に進んで行こうと思う

形になりそうなことがいっぱいある、この良い流れを止めないように、やってみる

 

 

 

明日は初めてのサイクリングに行くので、そろそろ寝る

世の中にはわたしの知らん遊びがまだまだあると思うとうれしい