夜と音楽

 

大好きなひとたちに会った後、ひとりで終電に乗って家に帰る夜

おもしろい出会いがあった夜

理由もないのになぜかさみしいような気がして眠れない夜、に 聴く曲がある

 

 

その曲を聴くと勝手に心の中が ギューン というか キューン というか そういう感じがするし、鼻の奥が痛くなってくることもある

 

めちゃめちゃ大切に思ってたけど もう会えない人が好きやった曲 というのもたぶん無関係ではない

好きな人というのとはまた違った存在やったと思う 

 

 

我ながら 聴くと絶対に苦しくなること知ってるのになんで聴くかなあ わざとかな?と思うけど わざとなんやと思う

毎回、ちょっと傷ついたような気持ちになって、でもちょっと落ち着く

大層な言葉を使うなら 身体だけは限りなく安全な自傷行為、みたいなものかもしれんと最近気づいた ちょっと大げさかな でも感覚としては結構近いかも

 

 

 

 

 

ここ数日、変な夢をよく見る
誰かに追いかけられるとか、なにか得体の知れないものが家に来るから必死で家中に鍵をかけて回るとか、とにかく不快で不安な気持ちになるやつ

 

 

きのうもまたそういう夢を見て目が覚めた

1日中バンドの作業をして家に帰って、疲れ切ってリビングの床で倒れるように寝てたらしい

時計を見たら既に夜中の1時半

 


最近なにかと忙しくてちゃんと眠れてないからかなあとか思いながら、床に投げ出してあった携帯を取りあげて「ミュージック」を開く


ぼーっとした頭で、フローリングの床に右頬をつけたまま あの曲を再生する

 

やっぱりまたちょっと傷ついたような気持ちになって

あしたは8時には起きないとなあ と思いながら、今週の予定を頭のなかで整理できるくらいには目が覚めた 怖い夢のことは忘れた

 

あー、なにやってるんやろうな っていう気持ちに急に襲われた

 

 

 

こういう夜によく考えること、

 

なにがいやとかじゃないけどとにかく全部投げ出してみたいということ

わたしが本当に明日を無事に乗り越えて温かい布団で眠れるのかは誰にもわからんということ

時間が絶対に戻らんこと

わたしも、わたしの大事な人たちもいつかは死ぬこと

わたしはわたし以外の誰にもなれんということ、それがどうしようもなくうれしくて、どうしようもなくかなしいこと

 

 

 

まあ自分がどうするとかではどうしようもないことばっかりやし、それを何回も考えることはあんまり意味のないことかもしれん こういう性格は暗いってことなんやろか

 

でもわたしにとってこういうことを何回も何回も確認することはたぶん、自分が自分であるために結構大切なことで

 

で、こういう瞬間にぴったり寄り添ってくれるのは 人でもなく、本でもなく、いまのわたしには音楽なんやなあ と思う

 

 

 

例えば、わたしは別に音楽から生まれたわけでも、音楽に育てられたわけでも、音楽がなかったら死ぬわけでもない

 

母から生まれて、両親に育てられて、衣食住さえあれば生きていけるわたしは、それでもこういう夜には音楽を聴くし 曲を書いたりもする

 

 

わたしはうれしいもかなしいもさみしいもそれ以外も全部自分にとって大切なものやと思ってて、というか思うようにしてるんかな

でもとにかく なんていうか 大切にしたい瞬間をもっと大切にしてくれるものがあって、よかったな 救われてるな 

 

 

 

 

 

 

 

「あの曲」がどの曲なのかを人に教えることはないと思う

でもそれでいいと思うし、それがいい気がする

 

いつかはあの曲を聴かんくなる時が来るんやろうけど それはそれでいいよなあ ちょっとさみしい気はするけど

 

 

 

 

 

だれにでもそういう曲ってあるんかな

だれかの眠れない夜の近くにあるのってどんな曲なんか想像してみる

 

 

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いまはこういう景色を見てる

 

月 めっちゃ眩しい