2021.12.20

2021年12月20日、9年続いたFiSHBORNの解散を発表しました


12歳で始めた前身バンドを入れれば約11年、今が23歳、数だけ見ればめちゃくちゃ長いなあ

自分が何者なのか、どう生きたいのか、と、所謂アイデンティティに悩む時期なんかよりもはるかに前から、このバンドとその音楽はわたしの一部であり、FiSHBORNのボーカルの前田小春はずっとわたしの半分です

当たり前にそこにありすぎて、体感としては本当にあっという間です、中学や高校時代が、大人になって思い返せば一瞬で過ぎた日々であることと同じようなものです

 

 

 

こういった形で終止符を打つということを決めるまでには、もちろんそれはそれは深い葛藤と長い経緯があるのだけれど、あまり事細かに言うつもりはありません

発表で書いたことがすべてであり、もしそれに付け足すとしたら、

わたしは、ほかの誰でもないこの3人で音を鳴らすこと、そして同じ歩幅で未来に向かうことこそが、FiSHBORNというバンドを形作るものであり、このバンドのすべてなのだと思います

だから、3人でたくさんの時間と経験を共にするなかで、自分の人生や音楽に対してそれぞれが違う新しい理想を手に入れたことに気がついたときに、誰かの脱退や活動休止ではなく、解散という形で、この3人での旅の最終地点を決めることにしました

 

 

わたしにとってのFiSHBORNと、このバンドが走ってきた道のりは、人生の共有だと思っています

わたしが日々生きていて感じたことを歌にして、さっちゃんとかほすけに伝えてバンドの音にし、それをわたしの近くの人はもちろん、名前や住んでいる場所も知らない人がお守りのように持っていてくれる、


FiSHBORNの音楽を信じて、わたしたちがこの場所に立ってみたいと思った想像を現実にするために、頭と体を動かしてくれる人がいる、


中学校の小さなボロボロの部室から、本当に遠くまで来たんだというのが、いつまで経ってもどこか夢のように現実味のないまま、でも、今さらになってやっと事実として少し自分のものになった気がします

 

 

 

悲しませてしまった人や寂しく思ってくれている人、わたしたちが続けないと叶わない約束を大切に持っていてくれた人、本当にすみません こればかりは本当に申し訳なく思っています

自分たちが納得するための選択の裏にはそういう人がいるということ、これはわたしが、わたしたちが自分の音楽やあこがれをただひとりで追いかけてきたわけではない証拠であり、責任であると感じています

バンドとしてこれからわたしたちができることは、やはり結局はここにたどり着くのですが、最後の最後の一瞬まで誠実に自分たちの音楽をやることだと思います

 

 

 

長く続いたものが終わる時というのはどうしても感傷的にならざるを得ないんですが、ただわたしはこのバンドに残された約4ヶ月の期間を思い出作りの時間にするつもりはありません

先にも書いた通り、このバンドは、わたしたち3人の人生の共有です

いままでこの3人ですべてを懸けてより遠くより高い場所を目指して走り続けてきたこと、わたしたちは終わりの場所を決めたけれど、でもそこで生まれた音楽は、そのまま自分たちの生き様です

 

わたしは、強く在るために強い言葉を使うのはずっとこわいままですが、歌にして歌うとそう在れるような気がしています

音を鳴らすことで越えられた夜が何度もあったわたしたちです それだけはいままでも変わらず、それだけはこれからもずっと、音を鳴らす理由です

 


綺麗に感動的に作り上げようとは思いません、ただその気持ちと、自分たちの姿に、素直に向き合える時間になれば良いなと思います

 

 

 

 


そういうわけなので、昔の思い出話や、バンドがその日を迎えた後の自分の未来の話は、2022年4月10日が過ぎるまでとっておきます まだ終わったわけでもないので


やはり感謝が一番大きいのですが、いま手の中と胸の中にあるものはすべてしっかりとっておいて、これからの4ヶ月はもちろん、その先にも持っていきますので、わたしたちと出会い、心を動かしてくれた方に届くよう、しっかり進みます どうか見守り、受け取っていただけるとうれしいです

これからも宜しくお願いしますというのはそういう意味です

 

 

どうかこれからも宜しくお願い致します

いつも本当にありがとうございます。

 


前田小春