ラストツアー2日目の東京編、渋谷CRAWL公演の帰り道でこれを書き始めてる
意気揚々と助手席に座ったのにほぼ気絶で眠ってしまってて、5時半頃に目が覚めて一度草津でトイレに降りてから、この瞬間に寝てしまうのがもったいない気がしてしばらく起きてた
目の前に道路がずっとまっすぐ続いてて、横を見れば街があって、遠くの山が青白いもやの向こうに見えて、空気がどこまでもピンとしてる感じ
それくらいの時間の車内ではいろんな曲が控えめの音量で流れてて、ごうごう風を切っていく音と車が行き交う音の隙間で、耳を澄ましてそれを聴くのがずっと好きやった
馴染みのある地名が増えてきた標識が流れていくのを見ながら昨日のいろんなシーンを反芻して、それがそのままわたしの体の形になって、車に乗っていつもの街に向かってるような感覚になる、
ジャンキー58%の3人が、曲中でFiSHBORNが好きだー!!!!って何回も叫んでくれたこと
HollowBugのりくの、あの場にいた全員が幸せやったよって言葉、ちゃんと引き継いで歌っていくからという約束
炙りなタウンのゆきなりのFiSHBORNに涙は似合わねえ!って言葉、ライバルとして歌って、誰よりも名前を呼んでくれたこと
ななみさんが、たった1人でも東京まで歌いに来て、先輩として温かく背中を押してくれたこと、彼女の歌がわたしたちの歌になったあの時間
10年前のわたしたちの始まりの瞬間を知っているTHE TOMBOYSが、高校卒業のときの思い出の曲を鳴らして、幸せになれと歌ってくれたこと、
マドカさんが、少なくとも今日でなにか変えられた人がいると思うと言ってくれたこと
夢のためにたった1人きりで上京したわたしたちの親友が、PAとしてわたしたちのライブを一緒に作ってくれたこと
そして、沢山の人にもらった、出会えてよかったという言葉
昨日のどこを切り取っても全部全部、宝物のような瞬間ばっかりで、今まで何百本と経験してきた全部のライブと歌ってきた歌を丸ごと抱きしめてくれるようで、昨日のことなにひとつ取りこぼさず全部記録しておいて何回でも巻き戻して再生したい
いつまででも自分だけのお守りにできるような、わたしたちがライブとライブハウスを愛してきた理由のすべてがそのまま形になった、ものすごい経験やった
こんな日を一つのバンドをやる中で体験できたのは幸運やったんじゃないかと思うほど
バンドをやってきた中で覚えていることはたくさんあるけど、やっぱりツアーや遠征、それとその道中は自分が「バンド」という単語を聞いたときにまず初めに浮かぶ光景
今まで幾度となく経験してきたものではあるけど、今日の帰り道のこの気持ちと胸の温度感は、最後やからというのを差し置いても、これからもずっとしぶとくわたしの中に残り続けるものやと思う あの場所あの時間あの空間を実現するために力を貸してくれた全ての人へ、本当に感謝しかありません ありがとうございます
わたしたちは車を持ってないから遠征の度にレーベルから車を借りていて、それがわたしたちの機材量では身に余るデカさのハイエースで、乗る度にどんどん愛着が湧いてきた大好きな車 いつかこの車や自分達の機材車をわたしが運転して乗り回せる時のことをいつもぼんやり想像した
そんだけツアー回るんやったらはよ免許とりや!といろんな人から言われてきて、
今年になってようやく免許をとって少し練習もしたけど、結局わたしがメンバーや機材を乗せてあのハイエースを走らせることはなかった、
これまで機材車に一緒に我々を乗せて遠征先まで連れて行ってくれたバンドや運転してくれた友達、そしてなにより日本中どこまでも、何日間でもワンマンで運転して連れて行ってくれたレーベルのみなさん、本当に本当にありがとうございます。
「WE HAVE EVERYTHING and WE BE ANYTHING」ツアー、5日間中2日間を終えて、既に自分たちの想像したもの、想像していた以上のものが実現していく体験をしてる、自分たちもここに来てまだまだ更新されていっているのを感じる 自分でも自分たちの可能性に驚くくらい
理由や過程、理屈を抜きに、素直に、いまの最新がわたしたちの最高で、一番の幸せと言い切れると思う ありがたいことや
ラストツアーも残り3本、まだまだ大好きな場所に足を運んで、人と会って、見て聴いて歌って残したいものがある
寝屋川、高槻、そして福島2ndLINEと、残すはわたしたちが最も長く深く関わって、人としてバンドとして育ててもらった大切な大切な3ヶ所
そこでもらった全てと、わたしたちが今まで見つけてきた全てを持って行きます、
最後の最後の最後まで、何卒よろしくお願い致します。