わたしたちのバンドにまつわるあらゆることに「最後の」の枕詞がつくようになり、こんなご時世の中ありがたいことにその最後たちもつつがなく幕を閉じ、いよいよわたしたちの最後のツアーが始まる
ツアーといっても範囲はあまり広くなく、最終日を含む近畿圏での4本と東京での1本、計5日間のわたしたちの集大成
その終わりの始まりがもうあと数日に迫ってきて、かといってわたしの生活がなにか劇的に変化するわけも当然なく、びっくりするほど相変わらずの毎日を過ごしてる (追記: これは少し前に書きました 本当はもう明日!)
とはいえひとつ言えることがあるとすれば、日一日と、ツアーの初日3月11日が近づくにつれて、やっと少し、ほんの少しだけ、自分たちの決めたことではあるけれど、ほんまに終わるんや、という事実が体感として感じられるようになった気がする
それはライブ中にステージから見える顔、ライブハウスで会えた人にいただく言葉、それになんとなく沈んでいるとも浮き足立ってるとも言えないような毎日の感じ、そういうものが寄り集まって初めてわかるような、そういう感覚
誰かと終わりについて話す時、いやー言うても実感ないんすけどねえ、と何回か言った覚えがあるけど、いまならそうは言わんかもと思う
その日になればわかることではあるけど、ある種当然のことながら、最近はツアーの5日間のことをよく思っています
なにを思うやろう、どんな顔見えるかな、なに話すんやろう…などなど
ツアーを一緒に作ってもらうのは、長い間追いかけ続けてきた大先輩から、良いときも悪いときもずっと一緒にいた同年代の友達、それに高校生のときさえ知っている後輩のバンドまで様々
日本の各地からわたしたちの呼びかけでイベントに出演してくれます 本当に大好きで、支えられて、時にはその音楽やライブ、存在に生かしてもらったとさえ思ったことのある人たちばかり
そうなれば結局のところ思うことはひとつで、彼らが集まってくれること、その音楽を浴びられること、それを共有できる空間があり、人がいること、それがただただうれしいです
さっき3月11日に向けた最後のリハでスタジオに入って、これまでのことを少しと、これからの5日間について3人で話したあと、なによりも大切な曲たちを鳴らして、明日のことを昨日までよりもっとリアルに想像しながら帰路についた きっと2人もそうやと思います
今日やっと、わたしたちの中でこの5日間を迎える本当の覚悟を持ったように思う
わたしがわたしの中で、わたしたちがわたしたちの中で抱えているものは、自分たちにしかわからないことが絶対にあって、でもそれがわたしたちだけの音を作って、歌になっているのを、いま肌で感じてる
明日を迎えるまでに文字にして書いておかないといけないことがある気がしてたけれど、今日3人で音を鳴らしてみて、もう大丈夫やなという気がしました
やっぱりメンバーの2人がいてくれてよかったし、この3人でよかったと素直に思う
歌詞にも、曲にも、演奏にも、MCにも、ライブにも、なにもかもに、今までと、今のわたしたちのすべてが詰まった5日間になる
思い出作りなんかじゃなく、最後のときまで加速し続けて燃え尽きるような、自分たちの全部をかけたツアーにしたい
どうか見届けて、触れて、その中で感じてもらえるものがあればそれはすごく嬉しいことやと思います
大切な場所や人にたくさん会える
いままでどれだけの人がわたしたちを信じてくれたんやろうと思います レーベルのみんなやライブハウスの人たち、友達やバンドの仲間、ライブに何度も足を運んでくれた人、浮かぶ顔はたくさん
うまくやれたことばっかりじゃないし心配や迷惑もかけた記憶がたくさんある
いつも本当にすみません、ありがとうございます。
きっとこのツアーでもっともっと沢山のことを感じると思う 楽しみです
合言葉は「WE HAVE EVERYTHING and WE BE ANYTHING」、このツアータイトルが自分たちにとって、同じ時間を共有してくれる人たちにとっての揺るぎない真実になるような、そんな歌を歌いたい
わたしたちの作る最後の5日間、どうかよろしくお願いします。
FiSHBORN
前田小春